NYのダイヤモンド街に見る婚約指輪の上手な売り方 | マーケティング戦略研究   

2009年7月9日木曜日

NYのダイヤモンド街に見る婚約指輪の上手な売り方

NYのダイヤモンド街に見る婚約指輪の上手な売り方婚約指輪の売り方
つい先日婚約指輪を買った時に、ユダヤ人のダイヤモンド商の婚約指輪の売り方があまりにも上手だったのでここに記録しておこうと思った。

婚約指輪の相場といえば、自分の給料の二か月分と言われていて、非常に高価な物。

高価な物であるという理由意外にも、婚約指輪を買う事は独身男性にとって非常に難しい買い物であると思う。

まず第一に、同じく高価な家や車と違ってはっきりとその使用用途が無く、費用対効果を考える人にとってはダイヤの価値が理解ができない。

第二に、あまり若い男性には宝石を買う習慣が無いので見所が分からない。

第三に、サプライズで渡したいという気持ちもあるので女性側が気に入る様な指輪を購入前に見極めないといけない。

この様に、今までの自分の中に無い正反対の価値観で商品を見ないと価値が見極められないから非常に労力を使う。



ま、当然の事ながら、僕も四苦八苦した。

まず、NYロックフェラーセンター近くのダイヤモンド通りをうろうろして全ての店を見たんじゃないかって位歩いて回った。

小さいカウンターだけのお店もあれば、ビルの1階丸ごと借り切っている様な大きな店など色々回った。
声をかけてくる所も多いし、無視する店も。

僕の目にはどの指輪も同じに見えるし、ちょっといいなと思って値段を聞いても、
日本人だから高く売ろうとしてるんじゃないか。もっと安くて良い物があるんじゃないかって言う不信感がどこかにあって、結局10秒位指輪を眺めてまた、ウロウロ歩き始める。そんな事を繰り返した。

ずっとそんな事を繰り返して、ダイヤモンド通りの小さなお店のショーウィンドウの前で指輪を見つめていたら、店の前に立ってたおやじが話しかけてきた。

「何を探してるんだい?中に入って見てみないか?」 

もう何十件という店を見てきても何も決断できない事に疲れを感じてたし、ちょっとセールストークに付き合って勉強させてもらおうかなというつもりで店に入っていった。

店に入ると店のおやじは僕に椅子に座る様に勧めて、僕がダイヤに関してあまり知識が無いと分かるとどんどん話をすすめていった。

  • ダイヤの産出地、ダイヤが安く取引される場所、
  • カラット、カット、透明度、色で値段が決まるという事。
  • GIAで取引されるダイヤモンドは、カラット、カット、透明度、色で区切られた値段早見表があってそれに基づいて取引されているという事。

言葉だけではなく、彼が保有しているダイヤモンドを2、3個出してきて一つづつ比べながら教えてくれた。

特に素人には分かりにくい、透明度と色に関しては、もうしつこい位、ダイヤを出してきて熱弁して、
さらに一般的なダイヤモンド論だけではなく、彼のダイヤモンドに対する哲学みたいのも教えてくれた。

「多くの人はダイヤの大きさを気にするけど、僕は大きさではなくダイヤの輝きが一番大切だと思うんだ。ちょっと位石が大きくても、他に比べる石が無いとなかなか気付かないけど、ほら、この大きな石と、小さいけど透明度が高いこの石を見比べてごらん。全然違うでしょ?」

と言って見せてくれたダイヤを見てみると、確かに輝きが全然違う。

紙の上に載せてたダイヤを僕の手の上に渡してくれて、これで見比べてみろという。

そこで関心していると、「君の予算はいくら?」と聞いてきて、その予算に大体見合ったダイヤを2、3個出してきて、また一つづつ説明してくれる。

一つ一つ、見せて、
「このダイヤは、小さいけど透明度が最も高いんだけど、裏から見ると傷があるんだ。値段は~~ドル」

「このダイヤは今見せたのより少し大きいけど、カラーがキレイなんだ。値段はいくらだけど10%値引きしてこの値段になる」

「君はどっちのダイヤが良いと思う?」

と聞いてくる。彼が詳しい説明をしてくれたおかげで自分の好みもはっきりしてきたから、ダイヤを選ぶのが楽しい。
こっちも調子に乗って、「もっと大きいのはないの?」「もっと高いやつでもいいよ。」とか聞いてみる。

全てのリクエストに答えて最後に残った一つのダイヤ。

これを前にして、彼がクロージングを始める。

「どうやってダイヤを払うつもり?現金、クレジット、小切手のどれでもいいけど。」

「NJとか他の州に友達はいる?ダイヤをそこに送れば、NY州の税金を払わなくてすむから税金分安くなるよ。」

と、そこで僕はその日は買う気は無かったので考えるふりをする。笑

僕:「うーん、NJの友達いるけど、連絡とってみないと分からないからなー。」

店のオヤジ「現金で支払える?」

僕:「払えるよ。」

店のオヤジ「現金で払えば、クレジットカードの機械通さなくていいから税金分払わなくていいよ。」

もうそこで、僕の心の中では90%買っても良かったんだけど、もう一度落ち着いて考えるよと言っておいた。

そしてら、その店のおやじは、「君に他の店じゃなくて、この店で買ってもらうために私は何が出来る?」としつこく聞いてくる。

ネットで調べたり、考えたいだけだったから、また来るよ。と言ってその日はその店を離れた。

だけど、2日後にはその店に戻って値段交渉もせずに最後に残されたダイヤを買った。


なんで僕がその店で買ったのか考えてみると色々理由がある。

1、店のおやじが店の前に立って僕に話しかけた。

店の中に入ると話しかけられる事が多いんだけど、何カラットで、どのレベルの透明度と、カットと、カラーのダイヤを探しているのかを聞かれたり素人には答えずらい質問が多い。もちろん普通のセールストークもあるのでそういう雰囲気に疲れてしまい、店のショーウィンドーから商品を見つけようとする事が多くなる。そんな時に「何を探しているの?」と僕が何を求めるのかを聞いてくる姿勢は、非常に好感度が高かった。僕は婚約指輪を買いに来てるのであって、ダイヤの買いつけに来てるのでは無いのだ。

2、店に椅子があってゆっくり話しを聞けるスペースがあった。
小さい店が多いせいか分からないけれど、椅子を置いているお店は意外と少なかった。高額の商品を買わせる場合には、やはり話をじっくり聞いて信頼関係を築く事が重要になる。そういう所で、お客を疲れさせない心遣いというのは非常に重要だと思った。おそらく、日本の高級セレクトショップとかは、お茶を飲むだけでもOkなど、こういう事を徹底しているのだと思う。

3、ダイヤがキレイに見える様に蛍光灯が白かった。
家に帰って気付いたけど、ダイヤは家の黄色い光よりも蛍光灯の下でもっとも光輝く。これは重要な要素だよね。

4、ダイヤモンドの値段を決める要素を本物のダイヤを使って教えてくれた。
店に入る以前にネットで下調べをして何がダイヤの価値を決めるのかは理解していたけれど、実際に自分の目で見グレードの違いを体感すると、4Cの内の何を重要視したいのかが明確になるので非常に安心して買い物が進められる。僕の手に高価なダイヤを持たせてくれるなど、徹底したダイヤモンド教育を行ってくれた。詳しく説明してくれればくれるほど安心できる

5、値切られる前に自ら値切った
自分から値切れば、「もっと値切ってよ」って言われた時に、もう既に値切ったからとも言える。値切る方も罪悪感などを感じる。

6、客のために税金対策などを考えてくれた。
親身になってくれてるな。と思う。商売だから当たり前だけど、商品意外にも細かい所まで話を詰めてくれるのはうれしい。

7、指輪をダイヤに取り付ける作業も見ておけば?と薦めてくれた。
最後の最後まで僕の目で指輪が完成する所を見られますよ。と言われると安心する。結局時間の都合でいけなかったけど。

8、彼自身が考える、理想のダイヤモンド像、理想の指輪像がある。
やっぱり限られた予算の中で良い物を買いたい。ダイヤモンドに関する教育が終わって、その後に彼自信の理想像を語られると、非常に共感を覚える。その共感が、「このダイヤが欲しい」と思える瞬間に変わった。ただ、初めからこれを押し付けられると、うるさく感じてしまうと思う。

この8つが僕が買った理由だと思う。競合の多いダイヤモンド街、人生では多分一度しか買われない婚約指輪。そしてあまり宝石を見る目が無い独身男性。何が欲しいか分かっていない人に売れにくい商品を売るのには細かい工夫と根気強いセールストークが必要だなと考えさせられました。



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2 件のコメント:

Yumi さんのコメント...

NY在住、結婚指輪を探しています。
もし、よければ、お店を教えていただけませんか?

Yumi

Josi Bunder さんのコメント...

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